◆良く見られる例
  • 外でのお散歩時に、電柱や塀のかどで必ず足をあげてしてしまう。
  • 知人の家の前で立ち話をしていると、庭の樹にマーキングをしている。
  • 時には、立っている人間にも何かと間違えてるのか、臭いを嗅いでマーキング。
  • おうちの中でも、いたるところにマーキングをしたがる犬もいます。

◆犬のタイプ
  • 何と言ってもオスが圧倒的に多い。
  • 活発な犬ほどその傾向は強く、大きさには関係がない。
  • 小さくても強気なテリア系などはマーキングしたがりやさん。
  • メスでも子犬の時に、オス社会で育った犬は足をあげてマーキングをする子がいます。
  • また、権勢欲の強いメスも自分の臭いを付けて、自分をアピールしようとします。

◆考えられる原因とそれに対する対処方法 ★散歩でなわばり

犬はもともとは群れで生活していた動物です。自分達の中で上位下位を付けたりなわばりを主張するのは、言わば本能なのです。

・CHECK-1

犬の本能だからしょうがないと、マーキングを大目に見ている方もいます。しかし、犬を飼っていない人からすると、どこにでもおしっこをかけていくのは不潔極まりない、と思っています。ですから、コンクリート塀や電柱などにマーキングした場合は、水筒を持ち歩いて水をかけて流すぐらいのマナーは必要です。

・CHECK-2

縄張り意識(権勢欲)が強い犬は、自分の臭いが他の犬の臭いにかぶせて犬の鼻の高さに付けようとします。こういう犬は散歩が自分の縄張りパトロールなのです。 しつけによってマーキングも、してはいけないところではさせない様にきちんと教えなければなりません。電信柱に走って行きそうになったらリードをしっかり引き早く、その場から移動しましょう。 ・CHECK-3

散歩中にマーキングを全くさせないというのも、排泄面で無理があります。散歩の最初と最後ぐらいには、人に迷惑をかけないところを選んでさせてあげるといいです。

★家でもマーキング ・CHECK-1

外だけではなく、飼っている部屋の中でもマーキングをして歩く犬は家の中でも縄張りを主張していると言えます。これは、自分の権勢行動ですから、飼主がしっかりしていないと犬の方で自分の縄張りを主張します。これは、トイレのしつけと同じく、してはいけない場所をしっかり教えなければなりません。

・CHECK-2

お客様が来たり、新しい家具が入ったりした時マーキングをするのも、自分のおしっこを付けて縄張りを確認しているのです。普通、家の中では、飼主と主従関係にあるのでマーキングはしないのですが、自分が飼主より上位と思うとこの行動に出ます。主従関係は出来ていますか。 しつけの「待て」「伏せ」「座れ」を再確認し、マーキングをしそうになったら「待て」などの命令を出して、従わせましょう。 ★去勢でなおすマーキング

オス犬の本能行動と言われるマーキングですが、若い6ヶ月~1歳ぐらいの間に去勢手術をすると、マーキング行動がかなり抑えられると言われています。

・CHECK-1

オス犬はテストステロンと言う男性ホルモンなどが作られ、オス特有の行動を起こすと言われます。去勢手術により、男性ホルモンが減るためマーキングも抑えられるのですが、個体差は当然あります。アメリカの研究では、家でのマーキングは50%減少する、となっています。 何かと手術というとかわいそうとか言う人もいますが、犬にとっても成犬の7~8歳以降での腫瘍やがんの減少、寿命も2~3年伸びるなど良い面もあります。 ・CHECK-2

去勢手術をしたから、もうだいじょうぶというのではなく、そこからしっかり時間をかけてのしつけがあってマーキングという問題行動も改善されるのです。

◆犬の雑学 ★すべては嗅覚の良さから

犬のおしっこには様々な情報が含まれています。その情報には、性に関するものもたくさんあって鋤鼻器官という特殊な嗅覚をもっています。臭いで相手の犬がオスかメスかはもちろんその大きさや年齢もわかると言われています。 また、犬は排便が終わると、肛門の両側にある肛門腺から2滴の分泌液を出します。この液には様々な化学物質が含まれていて、そこにいろんな情報が隠されているのです。 なかには、この液を自分で出す事が出来ずに、肛門腺が膨らんでくる犬がいますので、その場合は臭いのをがまんして、絞ってあげましょう。 ★メスだって例外ではない

マーキングはオスだけとは言えません。オスほどではなくてもマーキングで縄張りを主張するメスもいます。また、家の中でおしっこをあちこちに付けるメスもいます。メスは普通、半年に一回くらいヒート(発情期)がやってきます。このヒートで生理的におしっこをあちこちにして歩くという行動があります。この場合もすぐ拭いて消臭スプレーなどで臭いを消すことが大事です。オスの去勢の話をしましたが、メスについても、避妊手術によって、ヒートでの問題行動からある程度開放されますし、望まれない妊娠の心配をしなくてよくなったり、オスの去勢と同じように腫瘍、がんなどの防止、寿命が伸びるなど良い面もあります。

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